自転車のこと その2

 僕がやまみちMTBに夢中になっていたころは、ちょうど中高年の方々の山道歩きも流行り始めた時期でした。

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 (通称)三浦アルプス 馬頭観音の北側の杉小道

 山道でハイカーの方と出会うと、僕は本で学んだ通り自転車を降りて端に寄り、挨拶をして見送ります。しかし、次第に年を経るうちに、挨拶に返事もなく迷惑そうな目で見るハイカーの方々が増えてきたと感じるようになりました。それもそのはず、僕から見ても迷惑なMTB乗りが目立ってきたのです。彼らは大人数で(ガイドツアーもあったらしい)山に入り、大声ではしゃぎ、難所でハイカーを巻き込んで渋滞し、下り坂では雑なリアブレーキで道を削り、木製の下り階段では自転車を担がずにその脇を掘り進むのです…。

 僕はそんなことが嫌で、次第にやまみちMTBから遠ざかるようになり、2007年にロードバイク(舗装路用の自転車)を買いました。

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 多摩川サイクリングロード

 ビンディングペダルにも慣れて、三浦半島一周サイクリング(約60km)とか、湘南国際村ヒルクライムに精を出すようになりました。たまに遠出して熱海まで往復160km(100マイル)や、輪行して富士山麓一周サイクリングなどにも挑戦しました。

 しかしそんな日々も長くは続きませんでした。三浦半島一周は僕の定番コースなのですが、時計回りで海を左に見て走ると、多くの信号は右から道を迎えるT字路になります。例えば「よこすか海岸通り」(馬堀海岸)。

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 よこすか海岸通り

 僕の自転車が赤信号で止まっていると、僕の右を、躊躇なく追い越して信号無視してゆく自転車乗り達のなんと多いことか! ある日は、反時計まわりで信号待ちしている僕の反対車線の向こうから信号無視する一人の自転車乗りに、僕は右手で指差し大声で「信号無視するな!」と声をかけたところ、彼はニヤリと笑いピースサインを出して走り去ってゆきました。すれ違う瞬間、彼はイヤフォンを付けているのが見て取れました。またある日は、なんと息子の通う中学校教師のロードバイクに信号無視の追い越しをされました!! 青信号ダッシュで追いかけましたが、次の赤信号でまたやられて諦めました。

 数年前からの(特に三浦半島では)爆発的なロードバイク乗りの増加とともにマナーの悪い自転車乗りも爆発的に増え、必然的に四輪からの反感を買い、あからさまに意地悪い幅寄せをされるし、またほぼすべての路線バスは右に出て自転車を追い越している途中で(バスの最後端が自転車を追い越し終わる前に)左に戻ろうとするため必ず幅寄せされることになるし…。嫌なことばかりになって、結局ロードバイクにも乗らなくなり、僕は引きこもりになってしまいました。

 それから数年後、僕はオートバイ乗りに復活したのです。

 

 おしまい。