横須賀 ヴェルニー公園と小説「海の底」

 JR横須賀駅から京急汐入駅に至る海側。左に海上自衛隊、右にアメリカ海軍基地の港に臨むヴェルニー公園。

 江戸時代末期に横須賀製鉄所(横須賀造船所)建設に貢献したフランス人技師ヴェルニー氏にちなんだ公園ですが、さまざまな薔薇の花壇でも有名です。

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 下の写真は「戦艦陸奥(むつ)」の主砲の実物。長門型戦艦の二番艦である戦艦陸奥は、ここ横須賀で建造され、その口径はなんと41cm、長さ約18.8メートル、重さ約102トンですって!! 長門型戦艦は建造時(1920年)世界最大・最強・最高速の戦艦であり、日本国民にとって日本海軍の象徴だったそうです。

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 ところで、有川浩さんの小説「海の底」はここ横須賀を舞台にした物語。僕のマイベストお気に入り小説です。上の写真で、ちょうど主砲先端の向こうに見える薄ピンクの建物脇に停泊しているのは海上自衛隊艦番号4305 「えんしゅう」ですが、小説「海の底」ではまさにこの岸壁に、あの潜水艦「きりしお」が接岸していました。
 ヴェルニー公園から海を見て右側はアメリカ海軍基地エリアなのですが、この岸壁だけはほぼ常時海上自衛隊が使用しているようです。時には、まっ黒ででっかい海自の潜水艦が3隻、きれいに横に並んで停泊していることも見かけます。
 そして物語の序盤、横浜市金沢区の基地から現場に向かった滝野隊長率いる県警第一機動隊は、乗り捨てられた車で渋滞する国道16号を新横須賀トンネル手前で「全隊降車!」、隊を二つに分け、海側に走った滝野たちが目にしたあの驚愕の惨状はまさにここ、ヴェルニー公園の西端でのことでした、あぁ…。

 

 さて、ちょうどこの日は「自衛隊記念日」、艦船たちは満艦飾で彩られていました。夜はきっとイルミネーションがきれいなことでしょう。

 下の写真、白い薔薇の向こうに見える満艦飾は、艦番号179、海上自衛隊イージス艦「まや」です。

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 小説「海の底」を想うと、「つわものどもが夢のあと…」なんて言葉が浮かんできます。

 せっかくなので、満艦飾の自衛隊艦船たちをバックに、BRONCOも記念写真を撮らせてもらいました。

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 おしまい。